弁護士になってから
2001年に弁護士登録をした後、現在まで約12年間、弁護士として、現場の最前線で様々な事件を取り扱ってまいりました。特に私が取り扱ってきた業務は、不動産流動化、M&A、倒産、知的財産、スポーツ、仲裁・訴訟といった業務ですが、とりわけ、私の業務の一定の比重を占め、12年間、一貫して行ってきた業務は、スポーツ団体内部における様々な紛争の解決でした。
金融であれば、金融商品取引法、会社法等、倒産であれば、民事再生法、破産法等、知的財産権であれば特許法、商標法等といった法律があり、それによって当事者の利害調整が図られ、問題が起きれば裁判所による救済の途が開かれており、当事者の権利・利害調整、権利の救済は比較的容易にできるといえます。しかしながら、スポーツ団体内部の紛争においては、
日本では、2003年に日本スポーツ仲裁機構が創設され、スポーツ団体内部の紛争を公正な第三者を仲裁人とする仲裁手続によって解決を図る制度の運用が開始されましたが、実際の仲裁申立事件は極めて少なく、契約の仲裁の自動受託条項や仲裁同意が得られないと仲裁ができない等の問題が残されたままです。しかし、2011年には、スポーツ基本法が施行され、スポーツ団体によるスポーツを行う者の権利利益の保護の努力義務が明文化されました。日本国内のスポーツ団体内部に法の支配が行き届くまでもう一歩のところまできています。
金融であれば、金融商品取引法、会社法等、倒産であれば、民事再生法、破産法等、知的財産権であれば特許法、商標法等といった法律があり、それによって当事者の利害調整が図られ、問題が起きれば裁判所による救済の途が開かれており、当事者の権利・利害調整、権利の救済は比較的容易にできるといえます。しかしながら、スポーツ団体内部の紛争においては、
- ①原則として裁判所の判断にはなじまず、裁判所による救済が難しく、とるべき法的手続き(訴訟、仲裁、調停、団体内部の不服申し立て手続きなど)の選択が限られる
- ②スポーツ団体の裁量が極めて大きく、手続きが整備されず、法の支配が及んでいない
- ③日本国内においては、諸外国と比較して、プロスポーツ代理人による契約交渉は浸透しておらず、選手と所属チームの関係が必ずしも対等な立場であるとはいえない
- ④コーチ・監督に多大な権限や信頼があり、パワハラといった通常の社会では到底許されない行為も「勝利」の名の下容認され黙認され、体罰が日常的に行われる
日本では、2003年に日本スポーツ仲裁機構が創設され、スポーツ団体内部の紛争を公正な第三者を仲裁人とする仲裁手続によって解決を図る制度の運用が開始されましたが、実際の仲裁申立事件は極めて少なく、契約の仲裁の自動受託条項や仲裁同意が得られないと仲裁ができない等の問題が残されたままです。しかし、2011年には、スポーツ基本法が施行され、スポーツ団体によるスポーツを行う者の権利利益の保護の努力義務が明文化されました。日本国内のスポーツ団体内部に法の支配が行き届くまでもう一歩のところまできています。